長期熟成酒を楽しむ会

7/15(土)長期熟成酒を楽しむ会というマニアックな会があると聞きつけ、早速参加させて頂けるように申し込んだ。
最近の私のお酒の好みは熟成系、古酒とまで行かずとも火入れをしてじっくり味が出るのを待ったお酒。吟醸酒もおいしいけど、元気な香りと味でちょっと疲れてしまう。そんな気分に、何とも嬉しいお誘いがあったのだ。
イベントもマニアックならば、場所もマニアック(笑)仙台駅前 アメ横の地下、「とんかつと季節料理 陣笠」。この会の主催者でもある青木酒店がお酒を卸していて、お酒の扱いもしっかりしているという、青木の奥さんお墨付のお店だ。この隣が日本酒やら焼酎の札を下げていて、これまた惹かれてしまうのだが、がんばってたどり着いた。なにも知らなければ勘違いして入ってしまいそうだ(^_^)
変なもの好きな私としては嫌がようにも期待は膨らむばかり。飲まずにしてとっても楽しくなってしまうのだ(笑)
主催者の青木酒店の旦那さんです。そして久慈酒造、南部美人さん(5代目)がいらっしゃってくださいました。酒販店さんの意気込み、酒蔵さんの意気込みがひしひし伝わってきます。立場こそ違え、結局は酒好き。ただひたすら消費をむさぼる私ですが、同じ酒好きとしてうたれます。
この会に誘っていただいた藤原さん、夢を語ってくれた青木酒店の奥さん、ごめんなさい。あまりに話が楽しく写真を撮るのを忘れてしまいました(^_^; あまりに酒がうまかったからと言う話も(^_^;;
お料理からして楽しい。フランクフルト、塩鮭、海老チリ、モツ煮こみ、肉ジャガ、とんかつ。フツーの日本酒を楽しむ会ではまずでないお料理の数々。これって、長期熟成酒は味の濃い*現代の* 日本食一般に合うからためしてみーって趣向でしょ。大好き、こんなの(笑)
南部美人さんが持ってきてくださった、仕込み水。私もここ2年ほど酒蔵めぐりなどさせていただきましたが、初めてかもしれな硬水。粉っぽく、ミネラルをしっかり感じる。エビアン似の中硬水でした。

今回のお酒は東京で行われた「長期熟成酒研究会」の何か(^_^; で出されたお酒のあまりを引っ張ってきてくださったらしい。それに南部美人さんの熟成酒、出品酒、実験酒。さらには藤原さんを初めとする、参加されている方の自家熟成酒というから*趣味な酒* の集まりよね。 今回は味の紹介は少な目です。お酒のウンチクよりもお話が楽しかったのでメモとか無粋なことはしなかったのです(^_^;
福正宗 百々登勢(ももとせ)」純米の3年、10年、20年。石川の黒帯、加賀鳶として有名なお蔵です。時系列に沿って濃熟みが楽しめました。べったり甘くなく、酸っぱくもなく。嫌な老ね香はなかったと思います。

「麗人 酒古里(しゃぶり) 純米 12年」「龍力 真古酒 1983 純米吟醸 16年」「舞姫 大吟醸5年古酒」
酒古里は酸っぱい。シェリーの酵母を使っているのだとか。さすがに一ノ蔵の「招膳」よりかは酸っぱくないけど、老酒な香りが特徴。
「龍力オールド」はバランスだなぁ〜うまいよ。お蔵さんにも30数本程度しか在庫がないらしい、買いだよ、買いっ! ん?1万円/4合なのぉ〜(^_^;

 

「大和川 カスモチ原酒 弥右門酒 本醸造8年」「麒麟 秘蔵酒 大吟醸5年」「天賞 穂露 純米10年」
大和川は日本酒度-20、べったり甘口ちょっと苦手かな(^_^; 麒麟は端麗辛口を低温熟成、ちょっと物足りないか。天賞でもきちんとお酒を作っているのだという感動あり。

「酒一筋 秘蔵古酒」「末広 純米大吟醸古酒」。 赤磐雄町で有名な酒一筋、福島では大手の末広のお酒です。
おっと、ポケットに隠し持ち帰る者が(^_^)

その他にも南部美人の「純米古酒 なんぶびじん1995」、「南部美人出品酒」、「実験酒 掛米無し酵母だけのオリーゼ1998,1999,2000」、発泡酒。さらには*みりん*などの隠し玉(写真右)(笑)
藤原さんが持参してくださった「菊水ふなくち」の自家熟成6年物。他に持ち寄りで「東一 にごり」の自家熟成酒などなど、マニアックな技の炸裂っ!

結局「旨ければ勝ち」「楽しければ勝ち」そんな気がした。世間一般でいうところの価値とは違うかもしれない。しかし自分流。自分の満足。理屈じゃない。なんたる道楽者達なのか(笑)
熟成酒には、本醸造、純米酒を常温熟成させた「濃熟型」と吟醸酒を低温熟成させた「淡熟型」があるそうで、今回もその雰囲気をおぼろげながら感じることができました・・ん?! 純米酒ならば光を避ければ自分で熟成酒が作ることができる? 来年、再来年のために今の自分が酒を買う。なんとも道楽じゃない(笑) 派手だったりうるさかったりしない、ゆるりとした優しさ、とろりとした滑らかさ、全体の穏やかさ。そんな優しさを感じることのできるお酒達、ましてや自分で熟成に参加できる喜びは道楽以外の何ものでもない。
日本酒はまだ進化を続けている。 生産方法、
造り方の現代化という進化だけではなかった。日本酒造りは完成された物ではなく、ワインや洋酒の様な熟成方向、いろいろな造り方の実験が各蔵でなされていると知った。どれが正しくて、どれが間違いとかじゃないよね。
今回の会に参加できとてもためになりました、いや理屈抜きに楽しかったです。

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