上喜元を楽しむ会

5/27に「もとさかや」さん主催の「上喜元を楽しむ会」が行われました。上喜元は私のお気に入り酒山形酒Best3確実なお酒ですから、これは行かなくてはいけますまい(^_^)
今年のはじめに上喜元のお蔵を見学させていただき、そのとき初めてお会いした作業着を来た社長兼杜氏の佐藤正一さんと、この日にお会いしたスーツを来た社長とはちょっとイメージが違ってました。作業着の方が断然若々しく生き生きした・・(失礼)。
社長は御歳53歳、杜氏歴25年だそうです(豆知識)。
左から「仕込み水」「吟醸 山田錦・美山錦50」「純米吟醸 純白の季節にごり酒発泡酒」
仕込み水は柔らか。「ボルビック」「南アルプス天然水」「エビアン」のどれかと言われればボルビックか。鳥海山系の水はやわらかなのかな。
「山田錦・美山錦50」はまだまだ硬い。社長によれば蔵出しがごく最近だとか。5%ほどのアル添だそうだが、その添加具合は見事。嫌な感じはせず、やや辛くキレのあるイメージ。原酒なので旨み甘みがしっかり出ている。ちょっとギスっとくる硬さが残念。
「純白の季節」は活性にごり。 甘みもあるが甘ったるくない。日本酒としての旨みをキープ。数ある活性にごりの中でかなり上手なお酒だとおもう。イロモノとしてではなく、ラインナップの幅を広げるものとして楽しめる。刈穂 六舟の活性にごりと比べてみたい。
「純米吟醸五百万石 50」「純米吟醸 佐藤正一 特別極上酒」「大吟醸しずく 出品吟醸 斗瓶囲い」
「五百万石 50」五百万石と山形酵母(KA)の組み合わせ、一升2800円こそ、上喜元! 濃厚な旨みと甘み、やや雑さを感じるが力強い酸味が上喜元スタンダードと言えるのではないか。重くはあるがやや派手な含み香は五百万石の特徴なのかな。上喜元入門はこれだね。
「佐藤正一 特別極上酒」は山田錦50%と山形酵母の組み合わせ。これ通常もとさやかさんに置いている「佐藤正一」と違いますね。純度の高い旨みと甘み、米の中央部分を取り出した感じ。やや青みがかったうっすらと黄金色。おだやかにこなれた酸は氷温熟成の成せる技?3800円は買い!
「出品吟醸 斗瓶囲い」35%山田錦に山形酵母+山形産の新しい酵母なのだそう。カプロン酸を多く出すというこの酵母の働きのおかげで他の酒に比べて含み香が高い。一口含んで一瞬飲みやすいと思うのはマチガイ。 純度が高く透明感のある旨み、甘み・・次の瞬間酸を感じるどっしり感。冷えすぎは厳禁!室温に近づくまでちょっと待ってみてください。開封直後に微かに感じたエステル臭が飛んで、まるい甘さになります。

「純米吟醸 夢錦55」 「純米吟醸 山田錦50 熊本酵母古酒」「猩々」
前者2つは今までと趣がちょっと違う。この二つ、酸を多く出す熊本酵母を使うことにより他の酒より断然酸度が高い。他の酒が酸度1.3あたりだがこの2つは1.8ほど。逆に日本酒度は+1と-1と低い。他のものは2〜4だ。
夢錦の味の傾向は 「純米吟醸五百万石 50」に近いか、もしくはもうちょい甘味があるか。鈍いが深い甘みがある、透き通ってはいない複雑な旨味、甘みの幅が楽しめる。上喜元の酒質、および酸度の高さから予想できる味わいの濃さと含み香。
熊本酵母古酒、これは古酒と銘をうっているが1年貯蔵ものだそう。山田錦と熊本酵母を使っていながら、高精米してこない(50%)のが上喜元のこだわりか。濃い甘みと旨味、熟成をまっているだけあり穏やかな味のだし方、落ち着いた渋みを感じる。かと思えば開封直後は、酸がとがっていたりとおもしろい。
猩々に関しては2次会で出された酒なので詳細知らず。本醸造クラスかな? だとしたらかなりできが良い。吟醸香すらただよう旨味と甘み、酸がしっかり出てい酒
。2000円/升だと聞いた気が・・(記憶知らず ^_^;)

最後に抽選会が行われました。景品は「前掛け」、デニム地で「上喜元」ロゴもオシャレに入る垂延ものの逸品。私も欲しかった〜っ。キャンプとか芋煮会でさりげなくキリっと締めていると注目度高し。従来のものに比べ、デニム地、縁のカット、ロゴの入れかた、とても現代的なデザインでオシャレ度高し(本当)。
当たったのは「出羽の機械屋くずれ」さんのお友達。 出羽さんは相当プロな酒飲みとお見受けいたしました(^_^)お会いするのは多分2回目です。WEB上でちょびっとやりとしたものの、しっかりお話したのは今回が初めてでしょうか。Myミネラル水(蔵王山系の水を自宅でアルカリイオン水化)、Myグラス持参はさすがっ!いろいろ教えていただけました(^_^)

今回のお酒からいくつかを選ぶとすれば「五百万石 50」「佐藤正一 特別極上酒」「山田錦50熊本酵母古酒」の3つ。上喜元の定番と思える酒、竹丸の好み、今後のお楽しみ(やや将来模索系)という感じだろうか。
上喜元とは、「上質な喜びの元」となりたいという意味だとのこと。 今回出して頂けたお酒は、全て原酒、あまり磨かない米、透明度が低い複雑な旨味と甘み、酸味、吟醸感があるがどっしりとした飲みごたえ、それらの高次なバランスが共通している。それらが喜びの元となるのだろう(^_^)
社長はこう続ける「造りの雑な酒だが保存の良いお酒、造りがよいが保存のダメな酒、きっと前者が旨いと思います」。今後、熟成酒にも力を入れていきたいとのこと。 そのさきがけが 「山田錦50熊本酵母古酒」なのかも。こいつってば、まさに最近の竹丸好きするお酒なんだよな〜。社長さんにぜひこの路線でっ!とお願いしてみました。やはりプロな酒飲みだけにとどまらず一般の方にもおいしく飲んで頂けるかということを心配されているようでした。 大丈夫ですよ、社長っ(^_^)

さすがは上喜元、自己主張をしっかり持ったお酒達でした。やっぱり、竹丸お気に入り山形酒BEST3に入るお蔵です。こんな素敵な会を企画してくださった「もとさかや」さん、ありがとうございました。佐藤社長、これからもおいしい酒 おねがいいたします。

もどる