雪国やまがた銘酒蔵めぐり 2000 その2

今シーズン2回目の蔵めぐり。今回のテーマは前回と比べて大きい蔵としてみました。「澤正宗」の寒河江市 古澤酒造、「初孫」の酒田市 東北銘醸です。それぞれ中規模、山形再大規模の蔵です。
せっかく山形まで行くのだからと1日に2軒は回ろうとするのですが、この酒田の東北銘醸はなかなか難易度が高いです。「雪国やまがた銘酒蔵めぐり」参加蔵のマップを見ると分かるのですが、陸の孤島(^_^; 他の蔵と絡めるのが難しいのです。結局、酒田と寒河江をあわせてみました。仙台から行くことを考えれば、午前中に寒河江、午後に酒田としました。

なんと、酒田の酒屋さん「木川屋」さんのはからいで「上喜元」もまわることができたんですよ〜。感動です、感謝です(^_^)


蔵の入り口です。酒造資料館の入口も兼ねています。酒林がぶら下がるこの入口のイメージだけではあんまり大きく感じません。入って右にある時代を感じさせる木造の建物を進んで木戸を開けると、米の粉が舞う精米所がありました。山形で最も早い時期に導入した精米機とのことでした。4台あるのですが一番奥が最新式、24時間働けます。手前の3台分の働きを1台でしちゃうらしいです。


米を蒸す機械です。蒸された米の一部は麹作りのために下の階にベルトコンベアで運ばれます。これを「平成の室」「昭和の室」に運び麹を作ります。残念ながら麹室はのぞけませんでした。


吟醸酒用のもろみタンクと、それ以外用のもろみタンクです。あれだけタンクが並ぶと圧巻ですね〜。クローンでも育てていそうな感じです(笑)


お酒の貯蔵タンクと説明してくださった蔵人さんです。ここの蔵ではいろいろな話を聞くことができました。他の蔵ではなかなか聞くことができないタブー視されていた話題、「水道水」「アル添」「桶買い」「調整」などについて実に普通の話題として説明してくださいました。飾らないリアルなお話を聞けたと思います。



お酒を搾っている様子。ここでは「やぶた」式という搾り機を使っています。「やぶた」ってのは会社名だったのですね。この後に資料館での歴史的なお話と試飲会がありました。


終わってみれば、初孫の蔵巡りまで1時間半。こいつは厳しい〜っと、雪の月山道を走り高速にのりなんとか遅刻はまぬがれたのです(笑)でも、地元の人でもフツーはそんな道は避けるんだそう(^_^;; 浅はかでした〜。



初孫は17000石という大きい蔵。最近は2〜3000石と聞いても大きいな〜と思っていたので、この規模はびっくり。この「初孫ブルワリー」は初孫の幾つかある蔵の中でも新しい蔵。工場というイメージです。隣には資料館があります。そこでまず映画を見ました。「科学映画」の作りで、山形の風土と酒作り、初孫の歴史がとてもしっかり説明されています。


こーんなでっかい建物の中でお酒が作られています。窓からのぞく施設はなにやらマシーンそのもの(笑) ちょっとおどろきながらも、搾りたての「本醸造 原酒」をいただくと、予想に反しうまくてびっくりする。話を聞いたら「機械化できることろは機械化し、手作りのところは手作りで」行っているらしい。なんと麹作りに関しては人手で「蓋」を使って作り、山廃づくりをしているそうな。こんな量を山廃で。
山形県に住んでいると初孫を軽んじてしまう傾向があるが(かくいう私もそう)、今回の見学で見方が変わっちゃいました〜。実際、県外の品評会などではかなりの評価をされているのだとか。



今回、初孫の帰りでたまたま立ち寄った酒屋さん「木川屋」さんのはからいで上喜元を見学できるというチャンスがありました。木川屋さんの若旦那さんに蔵内を紹介していただきました。山田錦35%の大吟醸の麹を育てているのにも関わらず麹室に入れていただいたり、米を蒸す釜、もろみタンクや槽(ふね)などを見せていただきました。歴史を感じる小さい蔵でしたが、他の蔵では感じない活気を感じました。瓶殺菌していたパートのおばちゃん達、酒つくりをまかせられているという社長の息子さんの話の面白さなどかもしれません。搾りたての原酒を幾つか利かせていただきましたがそこにあるうちでは「美山錦」の純米吟醸が好みでした。酒のラベルにもかかれている社長兼杜氏の「佐藤正一」さんにもお会いできました〜。思っていたよりかなりお若いイメージでした。超感動っ〜。
お忙しい中突然の訪問にもかかわらず案内してくださいました「木川屋」さん、蔵の皆様、大変ありがとうございました。あれ以来、かなり飲んでいます > 上喜元。うまいっす。やっぱり実力蔵です。

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